LOVE&BEAT

CAGE /里緒loves

「入れてくれないの?」



その声にハッと我に返り、
「ごめん…」と慌ててドアを大きく開いた。



「ありがと」



スーツケースを引きながら横をすり抜けたお姉ちゃんは、
荷物をソファの傍らに置き、



「出張で来たの。上司のお供」



リビングの入口で突っ立ったままのあたしを振り返って、
そう言った。



「久し振りね」



柔らかく微笑むお姉ちゃんから、
「…そうだね」と視線を逸らす。



「これお土産。あと預かってきたものとか」



スーツケースから取り出した袋やら箱を
テーブルに並べ始めるお姉ちゃんの横顔を見ながら、
最後に会った時よりも、また綺麗になったと感じた。



どんなにあたしが頑張っても、追いつけない。



ついさっきまでの嬉しい気持ちやドキドキが、消えていく―…

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