LOVE&BEAT

FAKE /巧希beats


渋滞中の車の中で、ボンヤリと思い返していた。


殴られる覚悟で行ったのに、


“どうぞご自由に”


あっさりとそう言われ驚いたけど、今思うと無理に踏み込んだりしないあいつらしい答えだ。


だけどあの電話の後お袋に里緒が帰ってきたか確認してもらったけど、夜中過ぎても家に明かりがつくことはなかったと聞いた。


あの時、どこにいたのか。


あれから、2人でどこに行ったのか。


考えれば考えるほど苛立つだけなのでやめた。


今は誤解を解くのが先だ。


だけど焦る気持ちとは裏腹に、一向に先へ進まない車の列に溜息を吐いた。

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