LOVE&BEAT

驚く女を横目に、オレは俯いている祥子の顎先に触れ顔を上げさせた。


まるで狙っていたかのようにどこかでシャッター音が聞こえてきたけど、構わず祥子に問いかけた。


「してねえよな?」


オレの念を押すような声に、戸惑いを見せる瞳。


「祥子?」


もう1度名前を呼ぶと、


「…うん…」


消えそうなくらい小さな声で頷いた後、気まずそうに視線を逸らした。


「何言ってんのよ!?そんなはず…っ」


「とにかく、これ以上騒ぎ立てるなら事務所通して下さい」


オレは怒りに震えている女に笑顔で言うと、いつのまにか集まっていたヤジ馬達の間を抜け店を出た。


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