LOVE&BEAT

SLOW /里緒loves


夏休みもいつのまにか中盤を迎えようとしていた、ある日の午後。


玲のマンションの近くにあるカフェで、大好きなトマトパスタをクルクルしながらさりげなくマッシュルームをお皿の隅にやるあたしに、「こーら、好き嫌いしないの」そんなママみたいな声が飛んでくる。


「あげよっか?」


「何でも食べないと、胸でかくならないよー?」


「……」


あたしはテーブルを挟んだ向こうに見える谷間に羨望の眼差しを向けた後、決死の覚悟で口に運んだ。


「う…」


「はい、お水」


涙目になったあたしに、すかさずコップを差し出してくれる。


やっぱりママみたいだ。

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