LOVE&BEAT

CALL /巧希beats


「―だろ、だからオレが…」


隣に座る大和の話を適当に聞き流しつつ3杯目を一気に飲み干し、オレはまた傍らのボトルへと手を伸ばした。


ここに来てからずっとその繰り返しなのにいつまでたっても頭の中はクリアーで、いつからこんなに酒が強くなったのか自分でも不思議だった。


グラスの向こうには、ビルの谷間に消えかかっている燃えるようなオレンジの夕陽。


いつもならようやく1日が終わったと安堵しながら眺めるその光景も、今は少し違う。


ふいにテーブルに置かれていた携帯が鳴り、大和が通話ボタンを押す。


「おー。今?BLUE MOON」


仲のいい奴からなのか、短い返事をしながら部屋を出て行った。


グラスの氷がカランという音を立て、静かになった個室に響いた。


それがやけに寂しく聞こえたのは、やはり少しは酔っているせいなのか、それとも今日が特別な日だからなのか…


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