悠久なる君へ~3300年の記憶~Ⅰ【完】

作者雛子

エジプトで医学を学んでいた弘子は謎の声と共に古代へタイムスリップしてしまう。3300年前、若きファラオとして君臨したツタンカーメンとその妻アンケセナーメンの物語

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 御身、生きてある限り


心正しくあれ。


人は皆すべて


死後に世界ありて、


なせる業ことごとく


屍の傍らに 降り積むなればなり。


 


 


3300年。


そんな遠い記憶を、


君は思い出してくれるだろうか。


花を摘んで笑ってくれた記憶を、


君は覚えているだろうか。


 


たとえ君が忘れていようとも、


愛しきあの日々を、


輝きに満ちたあの日々を、


俺が、決して忘れはしない。 


 


悠久の時を超え、


 


我、愛しき汝がもとへ


 


いざ、帰らん。