ホワイトデーには甘酸っぱいキスを 【完】

ホワイトデー編 /神崎side








「何笑ってんの?」


「いや、1ヶ月前の事を思い出してた。」


「1ヶ月前?」






意味が分からないといった顔で落合さんが俺を見る。

俺は、ははっと笑いながら落合さんの頭をくしゃっと撫でた。




「何でもないよ。」





朝、隣で俺と手を繋いで一緒に学校まで向かう。


今でも、まだ何となく信じられなくて。


あんなに好きだった落合さんが、俺の彼女だなんてさ。


そりゃ顔も緩んじゃうって。







ちょうど今から1ヶ月前。


バレンタインの日に俺と落合さんは付き合い出した。


落合さんが俺のことを好きだって言ってくれた時は、本当に嬉しかった。

死んでも良いって思ったからね、ほんとに。


貰ったチョコはあんまり甘くなかったけど、俺の為に用意してくれたって思うと、嬉しくて嬉しくて、その場で全部食べてやった。


そしたら落合さん、めっちゃ怒ったな。



高かったんだから、もっと味わって食べなさいよー!とか何とか言って。


そんな事言ったって、嬉しすぎてしょうがなかったんだから仕方ないよ。






「今日、ホワイトデーだよな。放課後どっか行こうよ。」


「ダメ。部活行きなさい。」


「えー!良いじゃん。部活ぐらい休んだって。」


「怪我して休んで迷惑かけてんだから、ちゃんと行かなきゃダメだってば。」






ちぇっと呟いてすねる。




落合さんってほんと真面目だよな。


部活なんてサボったって大した事ないのに。



だいたい、バレンタインの日にやっと付き合えたのに、まだどこにもデートしてないんだよね。



あの後、怪我して部活休んだせいで、顧問の先生にめっちゃ練習やらされまくってさ。

放課後も土日もずっと部活。

エースでいるのも、結構大変なんだな。


そしたら今度はテスト期間に入っちゃって、放課後はずっと勉強でどこにも行けなくて。



だからホワイトデーの今日くらい、許してくれても良いだろ!!







「今日、図書委員の当番だから。」


「え?」


「だから、今日図書委員の当番だから、6時まで図書室にいる。」





それって、つまり。


どういうこと?



首を傾げていると、落合さんはプイッとそっぽを向いた。




「・・・部活、6時まででしょ。その後、デ、デート、しよ。」






そっぽを向いてる落合さんだったけど、耳が赤くて。


顔を見なくても、真っ赤なんだろうなと予想がつく。




ああ、何でそんなに可愛いんだよ。


ほんと、落合さんってツンデレだな。



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