ホワイトデーには甘酸っぱいキスを 【完】

ホワイトデー編 /神崎side






「話って?」





1番奥の空き教室に連れて行かれて、香水臭い女と向かい合う。



早くしてよ。


早く教室に戻って落合さんと話したいのにさ。






「神崎くん、私と付き合ってよ。」


「ごめん、俺彼女いるから。」





すぐに返事をして、教室から出ようとすると、後ろから抱きつかれた。



げっと思って、俺に巻き付いてる女の腕を引き剥がす。




「ほんとにやめて。俺、彼女以外の女の子興味ないんだよ。」


「彼女って落合さんでしょ?良いじゃない。あの子何しても許してくれそうだし。私とも付き合ってよ。」






この女の言っている意味が俺には理解出来ない。



私とも付き合ってよって何だよ。


俺に二股しろって言ってんの?

面倒臭い女。



俺が落合さん以外の女の子と付き合うわけないし。






「いや、俺そういうことしないし。悪いけど、教室戻るよ。」




俺はまた教室を出ようと女に背を向ける。




「落合さんってさ、佐伯くんが好きだったんでしょ?」





その言葉に思わず立ち止まる。



何でこの人がそんなこと知ってんだよ。


あんた1組だろ?

同じクラスでもないのに。





「だから?」




振り返ると、女はにっこりと笑った。



何かこいつ、性格悪そうだな。


そもそもタイプじゃないけどさ。


こういう女、ほんと嫌い。





「この間まで佐伯くんが好きだったのに、神崎くんと付き合うなんて変じゃない?」




何が言いたいんだ?


俺はあからさまに嫌な顔しながら、女を見つめた。




「神崎くんと付き合ったのって、佐伯くんに近付く為だったりして。」


「そんなわけないだろ。」


「どうかしら?人の気持ちなんてそんなに簡単に変わるものじゃないのよ。」




そう言われて思わず黙ってしまった。


確かに、落合さんって春からずっと佐伯が好きだったよな。


俺があの日、放課後忘れ物しなかったら会わなかった訳で。


あの時俺が落合さんを脅迫して迫ったから、今があるんだよな。



そもそもたった1週間で、本当に俺のことを好きになったのか?



もしかして、本当に佐伯に近付く為?






  • しおりをはさむ
  • 15
  • 23
/ 92ページ
このページを編集する