僕の未来を君にあげたい

作者ナルミ

未来を諦めた少年と未来を求める少女。

そんな2人が交わることでお互いに無いものを埋めていく。

叶うことのない願い。


2人の描く未来とは――――――。


この世の中では5秒に一人が死んでると言われている。



そんな世界で僕はどうしても死にたかった。



沢山の人が一日でも長く生きたいと思う中で、僕は一日でも早く死にたかった。



人はいつでも無い物ねだりで、自分にある幸せを当たり前だと感じている。



例えば友達は沢山いるけど恋人がいないから物足りないという人。



毎日ご飯を食べれるのに、もっと豪華な食事がしたいという人。



友達が沢山いる幸せも、ご飯を毎日食べられるというありがたさもその人にとって当たり前となってしまう。




人は欲張りだ。




そして僕もまた欲張りだった。




必ず明日が来るという奇跡を当たり前だと思っていたんだから。