追憶の愛




ーーコツコツコツ



ヒールの音が薄暗い廊下に響き渡る。

現場から直帰で事務所に来たせいで、似合いもしないレースの服のままだ。

「失礼します。」

ノックをして入れば、パソコンを見ながら書類を捲る男が待ちかねていた。

「どうだった?」

「ターゲット死亡確認しました。」

52歳。

大手企業の次期社長候補。


私が今日殺した、男。


「余計な事はしていないだろうな?」


もし見つかったら、私も組織もどうなるかわからない。否、確実に闇に葬られるだろう。


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