―KINGDOM―

第二章 /三節

『朝、いつものように迎えに来てくれなくてもいい』と定春に連絡して、その代わり『話があるから昼休みに時間がほしい』と言った。

定春からの返事は『分かった』とそれだけで。その文面からは何も読み取れなかった。

十獅朗先輩に着いていったわたしのことを定春はどう思ったのだろう。

あの時の空気はなんだか可笑しかった。当事者のはずのわたしには状況の一切が飲み込めず、ただ助かったような気がした。

確かに、助かった、と思った。

わたしは、そう思ったけど、定春はどう思ったのか。

予想しようにも全く分からない。

とにかく、自己満足でも謝る必要がある。定春の気持ちを聞いて、ちゃんとわたしの気持ちも話すべきだ。


悶々とそんなことを考えつつ、時間が過ぎる。


避けられる日々はいつも通り。定春が来てくれない分、ひとりでいる自分が目立っている気がする。

そう、思って、自分を嫌悪する。

定春はこんな女のどこがいいんだ。

お昼になるのが気が重い。

本当に自己満足の謝罪だ。

でも、定春に誠実でいることしか出来ない。

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