―KINGDOM―

第三章 /一節

「あっ、!」


想定外に弾んだ声が出た。

そのせいなのか、周りにいた人達からの視線が痛い。

なのに、肝心のその人の視線がこちらを見ることはない。


「十獅朗先輩っ!!」


直接、名前を呼ぶ。

すると、緩慢な動きでうつ向いていた顔をあげて、こちらを見る十獅朗先輩。

1週間と少しぶりの十獅朗先輩だった。


「やっと見つけました。」

「………、」

「学校来てましたか?先輩にお話があったんですよ。」

「なんだ。」

「………あれ、?どうかしました?」

「お前が声かけてきて、どうかしたかはないだろ。」


そう言われればそうか。

でも、なんだか違和感があった気がした。気のせいかな。


「ですね。あの、先輩に同意を得たいことがあって。」

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