―KINGDOM―

第四章 /二節


次の日の昼休み。


「花音。」


わたしの名を呼ぶ、久しぶりのその声に動揺した。

軽やかに教室に響き、明るくて優しい声。

爽やかな風貌で有無を言わせぬ笑顔を見せる。


「……………定春、」

「ちょっといいか。」

「うん。」


事情を知る光ちゃんが何事か、と視線をくれるけど、分からないと首を振る。

すごく久しぶりな気がする。まだ2週間も経っていないのに。

教室を出ると笑顔の定春がドア口に身体を軽く寄りかからせるようにして待っていた。


「どうしたの?」

「うん、しばらくそっとしておこうと思ったんだけど、」


申し訳なさそうに眉を下げる定春。


「日曜、空いてる?」

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