―KINGDOM―

第一章 /二節



成績の順位発表から3日。十獅朗先輩とは会っていない。

遠目で見かけることはあっても、声が届くとは思えない距離だ。

連絡先も知らないし、教室に行くのは、少し勇気がいる。


女子のクラスメートから距離を置かれるようになったのは、わたしの成績のせいなのか、それとも十獅朗先輩とのことが影響しているのかは、聞いてないから分からないけど、どちらもというところのようだ。

友達とわいわいするのが好きなのに、そうはしてくれない。


「花音っ!」


教室の前の扉から見知った顔が覗く。


「定春!」


人懐っこい笑顔で手招きする定春に自分の席を立って近づく。

茶色く染まった明るい髪色が似合う柔らかい髪で、私服の定春。一つ年上だけど近所に住む幼なじみのようなもの。

趣味が似ていて、意気投合した。

定春がわたしの髪をグシャグシャかき混ぜる。


「癖っ毛。」

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