―KINGDOM―

第四章 /三節

決勝は国広高校スポーツ科男子バスケットボール部の優勝、インターハイ出場決定にて幕を閉じた。

試合後半はそれほど接戦というわけでもなかったからか、ハーフタイムに見たことが気になるからか、試合を見ることに集中できなかった。

たぶん、後者だ。

いずみ先輩はわたしが話しかけると笑顔で明るく答えてくれるけど、ふいに考え込んでいるような表情を見せていた。

試合が終わりに近づき、やめておいた方がいいと思いつつ、定春が座っているあたりを振り返った。そこに定春の姿はなかった。

定春は一人で来たのでないと言っていたけど、それは陵って人と来たということでいいのだろうか。

よくよく思い返してみると、バスケ部の試合がいつあるのか、『陵』に聞けば教えてくれると言ったのは定春だ。

陵って人が、ああもう、陵先輩でいいか、苗字も知らないし。

陵先輩は、スポーツ科と関わりがある。それは定春を通してじゃない。むしろ、定春が陵先輩を通してスポーツ科と関わるようになったのかもしれない。

いずみ先輩と定春は知り合いって感じじゃなかった。少なくとも、わたしがいずみ先輩に会った時、定春もいずみ先輩とは初対面だったと思う。

今日だって、わたしに声をかけた定春は、隣にいたいずみ先輩には何も言わなかった。

何なんだろう。

気になる。

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