―KINGDOM―

第五章 /一節




期末試験が迫っていた。相変わらず、放課後は銀河くんが教室に来る。光ちゃんと3人で過ごす。光ちゃんは少しずつ銀河くんと話をするようになってきた。

最近は試験の勉強を一緒にしているから、光ちゃんも話をしやすいのかもしれない。

銀河くんは成績上位らしく、とても丁寧に教えてくれるから光ちゃんは『……花音より分かりやすい、』と思わず呟いた。銀河くんが心底嬉しそうに笑って『やったぁ』なんて無邪気に喜ぶから、光ちゃんは照れ隠しの悪態をつく毒気を抜かれてしまった。

わたしは地味に落ち込んだけど。わたしに人に教える才能はないようだ。



いずみ先輩とも相変わらずだ。スマホでやり取りするだけで、この前の試合の日以来、会っていない。

あのことにも触れていない。

日が経つにつれて触れることが難しくなっていく。どう切り出すにしても、不自然でしかない。

期末考査が終われば、夏休みだ。夏休みは一緒に海に行こうといずみ先輩が言ってくれるから、そのときに、さりげなく、……無理か、……

さりげなく聞き出す、なんてスキルが自分にあるとは思えない。

なるようにしかならないか。いずみ先輩が隠しているなら隠されておく、かな。気になるけど。

気になるけど!

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