―KINGDOM―

第二章 /一節

定春と付き合うことになって、定春は朝、家まで迎えに来てくれて、放課後は一緒に帰るのが当たり前になった。

元々、家が近いから、わざわざ来てくれるという気持ちはそれほどなかったけど、気恥ずかしさはあった。

今までと明らかに違う定春の振る舞い。

定春が定春であることには変わりない。変わりない、と思うのに、ふとした瞬間に知らない定春が現れるようで、言葉がでない時がある。

わたしの知っていた定春は定春じゃなかったんだろうか。

そんな疑問が頭の隅に居座る。

別に、付き合って、乱暴になったとか、嫉妬深いとか、ストーカー気質だとか。そんなことはない。

すごく大事に思われていると思う。

こまめに連絡をくれて、いじめられないよう気にかけてくれて、転ばないように手を繋いで、放課後は色んなところに連れて行ってくれて、休日はデートに行ったり、スポーツ観戦したり………

至れり尽くせり、

そう、至れり尽くせり、なのだ。



「定春。」

「ん?」

「わたし、大丈夫だよ?」

「ん、?」

「いじめられたりしてない。」

「そうか、良かったな。」

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