ゆきどけ

作者HIRO

辛い恋の記憶を昇華し、次の恋に向かうまでの話。




季節外れの雪が舞う


朝、カーテンを開けてパッと輝く銀世界は

流れ星のように瞬く間に消えていく


長く厳しい冬もやがて終わるように

明けぬ夜はなく

醒めぬ悪夢もない


深く傷ついた心もいつか癒え

凍てついた心も解けていく


ぶり返すように見る夢もそれは終わりを告げる合図


懐かしむ時がいつか来るのだと

朝に輝く雪に願おう


次の冬はただ美しいその雪を楽しめるように


暖め合える誰かと出会えているように