45度の華

影の感触 /02 桜介




はじめて会ったのは1年以上前だ。






一希は知らないだろうけど

1年前の秋頃、
あのキャバクラの前で君を見た。



普段来ない場所だったが
その近くで仕事をして
少しぷらぷら歩いてた。


その時、店の外で客を見送ってる一希を見た。



綺麗な子なのに
こんな辛気臭いところにいんのか。

なんて思いながら見てたら


たぶん、観光客の母親と子供が
ホテルかなんかの場所を探していて迷っていた。


もちろん俺は声をかけないし
助けようともしなかった。



自分には関係ない、
何の得もない、時間の無駄、



だけど一希は自分から声をかけて
その場所を丁寧に教えてあげていた。



俺は思わず立ち止まって
その姿を見てしまったよ。



世の中こんな奴もいるんだなって。
ましてやキャバ嬢が…


何の利益にもならないのに
媚びる必要あんの?





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