アナタの羽ばたきが世界を救う。

自暴自棄 /やっぱり今日だ

誰もいない屋上
空が広くて、強い日射しが容赦なくコンクリートの床を熱し続ける
こんなに暑ければ、誰も屋上にはこないだろう
あぁ、もう心が痛い
朝はもう少しこの空みたいに晴れていたのに

「甲塚ぁぁ!!!!!」
誰も来ないはずの屋上で俺を呼びつける声
その声の主は俺に掴みかかってくる
「なんだよ。緑山………いきなり」
緑山崇
五十嵐千早の友人だ
「お前!!!!眞藤さんを殴っただろ」
なんでお前が眞藤を気にするんだよ
眞藤を守ろうとするんだよ
あんな言葉を言うヤツを庇うんだよ

俺の気持ちは、どうするんだよ

「だからなんだよ。俺が悪いのか?アイツの言葉が悪いからだろ」
「女だぞ」
「悪い事を言う奴に男も女も関係ない。殴って悪いかよ」
「男が暴力を振るうなんてな!!!」
「じゃあ言葉の暴力はいいのかよ!!人の気も知らないで!!どれだけ傷つくか知ってるのかよ」
「お前が何言われたかなんて関係ない」
「じゃあ口出すんじゃねー!!!」
こいつは万年スタメン落ちの柔道部だ
心を折るには、こうした方がいい

俺は見よう見真似の一本背負いで、熱いコンクリートに緑山を叩きつける

「ったく弱小柔道部が……意気がってるんじゃねーよ」

そう捨て台詞を言って、階段を降りる


あぁ
やっぱり今日なんだ

今日、やるべきなんだな


教室に戻ると、すぐに授業が始まり
その後の休み時間は地獄だった

「女の子を敵にまわしたのよ!わかってんの!?」
うるさい
「あんた眞藤さんの事、好きじゃなかったの」
うるさい
「謝りなさいよ」
うるさい
「私絶対に許さない」
うるさい

「…お前らに関係ないだろ」
そう言い返すのが、やっとだ

どう考えても悪いのは眞藤だろ
女だからか肩を持つのか
男だから俺が悪いのか

俺だからか
俺だから
俺だから、味方になってくれないのか
俺だから、味方になってくれないんだろ

誰も助けてくれない
誰にも必要とされない

あぁ、もしかして世界のどこにも俺の居場所なんて無いんじゃないのか

そうか
呪われているって事か
誰かにそういう呪いをかけられてるのか

兄か
兄さん達か
父さんか

………母さんか

もういい
もういい

後ろ向きな考えに囚われてる?
はっ何とでも言えばいい
俺は俺だけなんだ
俺の気持ちが解るのか

解りもしないで、自分達だけは解って欲しいみたいな感じで過ごしやがって

誰も

誰も

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