アナタの羽ばたきが世界を救う。

落花流水 /名前と運命

夏の日射しが照りつけ、セミの声が響くいつもの通学路、今日で授業が終わって、明日の終業式が終われば、夏休みになる
通知表を受け取らなければいけないけど、そこそこ頑張ってるし、得意な教科は5をもらえているはず
あぁー高校生になって初めての夏休み
ファミレスのバイトと、うちの店のお手伝い
それと、今年は泪がいる

泪は私の高校の友人ですぐに泣いてしまう、名前通りの女の子
本人は気付いていないけど、入学する前から噂になっていた子だ
中学で担任と出来てしまって、地元の高校には行きづらいから、この弓備城(くびき)高校を受けて一人暮らしをして学校に来る生徒がいるって
入学して、偶然に同じクラスで、隣の席になった私は、彼女が噂の子だってすぐに気づいた
私が守らなきゃって、彼女を見てすぐに、直感的に感じた
なんでって言われたら分からない
ただそう感じたんだ
でももう一人うちのクラスに一人暮らしの女の子がいる事がわかって、クラスの男子はどっちが先生と出来た子なんだってうかがっていた
もう一人の子は菖蒲綾女って言う綾女という名前には似つかわしくない性格の女の子だった
彼女がオープンな性格で、性的にもオープンだったから、泪に向けられる噂はすぐになくなった
綾女は性にオープン過ぎたんだ

私は、人の名前に全てが凝縮されているって思ってる
その人の運命を左右してると思う
姓名判断や画数占いは出来ないけど、名は体を表すとはよく言ったもんだと思う

私の名前、花屋敷 夏蓮
花屋敷って珍しい苗字も気に入っている
花屋で花屋敷なんて運命を感じられずにはいられない
夏蓮って名前は、お父さんがつけてくれた名前で2つ理由がある
「英語でも発音しやすい」
「蓮の花言葉は清らかな心」
その理由を聞いて、私は名前の意味や花言葉に魅了されていると思う
さっき綾女は名前に似つかわしくないって言ったけど、アヤメというのは花の名前で、その花言葉は 「良き便り」「愛」「吉報」って意味があって、綾女が先の事がわかるように「こうした方がいい」「◯◯に良いことがある」など色々な助言をしてるのを聞いたことがある
人が幸せになることを考えているのは、名が体を表してると思ってるし、誰でも………男女問わず愛す綾女は、まぁー「愛」なんでしょ
性にオープンすぎるっていうのはそういう事、誰とでも寝るって噂がある
でも不思議なのは綾女って名前
菖蒲とアヤメは漢字で書けばどちらも菖蒲で違う花なんだよね、親は知っていてつけたんだろうか?

そんな事を考え、日射しがキツくなっている太陽を浴びながら、いつもの待ち合わせ場所で泪を待っている
数人の同じ学校の生徒が私を追い抜く
なかなか泪は来ない
「日直だから、早く行こうって言ったのに……まったく」
たぶん忘れてるんだろうなぁ
昨日は泣き虫な泪がなぜか好きな心霊とか妖怪とかUFOの特番を遅くまでやってた
それを見て、寝れなくなったのかな?
いやいや、やっぱり忘れてるだけ……たぶん
すると騒がしい男子3人組が私の前を通る
ちょっと苦手な3人なんだけど、なぜだかよく話しかけられるんだよね
「花屋敷さん、おはよーーー」
ほら、きた
元気よく私を呼ぶのは、同じクラスの高校1年ですでに180cmはある体格の良い男の子、剣崎剛志(けんざき つよし)
でも気が優しくてクラスのみんなにコミュニケーションをよくとってる
「剣崎君、おはよ」
「暑いね、眞藤さん待ってるの?」
「えぇ」
眞藤は泪の苗字だ
「本当に仲が良いね」
「あなた達、3人もね」
剣崎君と他に二人、ニコニコしながら私と剣崎君の会話を聞いているのが、五十嵐千早(いがらし ちはや)
そして面白くなさそうに、私を見て、目が合いそうになると目をそらすのが、緑山崇(みどりやま たかし)、彼が私はちょっと苦手だ
「僕らは前世から友達だからね」
ニコニコしながら五十嵐君が言う
「前世からね」
この3人は都市伝説が大好きで、五十嵐君は家がお寺な事もあって、輪廻転生の話をよくしている
「そうだ、たぶん眞藤さんと花屋敷さんも前世からの運命を持ってるんだよ」
「ははは、そうだと面白いね」
私は適当に相づちをしたけど、たしかに理由もなく守らなきゃって思ったのは、そういう因縁があったと考えたら面白い
「つうか行こうぜ、暑いし、朝テストあんだからさ」
今度は不機嫌そうに緑山君が話し出す
「そうだね、じゃぁ花屋敷さん、教室でね」
「うん」
三人は楽しそうに学校へ向かっていく
うーん
緑山君は楽しそうじゃない………か
あの3人に去年外れたノストラダムスの大予言を聞いてみたい気もするけど……
「ま、面倒くさそうね」

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