アナタの羽ばたきが世界を救う。

幽愁暗恨 /呪いなんて

HRで中尾美里先生が、学校に隣接している裏山の弓備城跡にある兜塚公園の敷地内で不審者情報があったとか、そんな話をしている
中休みの騒動、そして尾崎や菖蒲いない事には全然触れない
先生なんて、そんなもんなのかもしれない
義務教育でもないし、いちいち生徒の御機嫌伺うのもおかしいか
それに不審者どころか、俺は呪術で甲塚を殺そうとしている
先生に止められるわけないけどな

HRが終わると、千早が甲塚と何か話している
珍しいというか、異常な事だ
千早は中学の時、甲塚にイジメられてたんだぞ
なんで自分から甲塚に話しかけてんだ?
「あー葉子がどこに行ったか知らないか聞いてるみたいだよ」
剛志が教えてくれる
2時限目の中休みの時に、菖蒲と尾崎はどこかへ行ってしまった
まさかとは思うけど、菖蒲のやつ、尾崎と………
「3時限目休みに崇と話す前に、花屋敷さんにも聞いてみたんだよ」
「で?」
「菖蒲さんは保健室に行くって言ってたけど、葉子は知らないって」
「そうなんだ」
保健室に行ったんなら、眞藤に聞けばいいのに
「もちろん眞藤さんにHRの前に聞いてたよ。崇は何かに夢中だったから、眞藤さんと話そびれちゃったね」
「そうだな」
甲塚を呪う事に一生懸命で、眞藤と話す機会を失ってたなんて……
「で、菖蒲は保健室なんだろ?」
「先に戻ったらしいよ」
「なんだよアイツ、授業サボったんじゃんか」
「菖蒲さんは成績優秀だから、大丈夫でしょ」
甲塚は鞄も持たずに教室から出ていく
「ごめん、先に帰ってて」
そう言って千早も教室から出る
「じゃあ帰る?」
剛志はそう言うけど
「悪い、俺も用事があるから」
今日中に甲塚が死ぬ
それ確かめなきゃいけない
「えーーそうなの?じゃあ千早待ってようかな」
千早も鞄を置いていっている
「悪いな、剛志」
俺は鞄を持って急いで教室から出る



俺は屋上への上がる階段に座って甲塚が来るのを待った
校舎は四階建て
俺がいるのは、四階と三階の間だ

長い
全然、甲塚はやってこない
それどころか、校舎にいる人間は殆んど居なくなってしまったのか、全然生徒が来なくなった

俺が甲塚を殺したいと思ったのは、事実だ
眞藤の事も絶対に一番思っている

けど、ジャッキーの呪いの話は、デマだったんだ
全然、甲塚は屋上にやってこない
「こんな呪術で人が殺せるわけねーよな」
屋上から事故に見せての落下
それをジャッキーに願った
そうすればアイツの死体は晒される
そして眞藤に優しくすれば

呪いがデマで良かったのかもしれない
ネットのデマ
簡単に人を呪い殺せるわけないか
信じてる方が、おかしいんだよ
「何やってんだ、お前。邪魔だろ」
声がして見上げる
そこに居るのは甲塚だ

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