アナタの羽ばたきが世界を救う。

保健室では、保険の先生が的確な処置をすぐに行ってくれ、千早の傷は縫うまでもない小さな傷で、「頭だったから血がたくさん出て驚いたでしょ」と笑って教えてくれた
いつもポジティブな僕が、キツネや前世の記憶の事でネガティブになっていたせいだ
冷静な判断が出来ていない
「でも救急車を呼んだから、病院でちゃんと検査をしてもらいますよ」
「それって僕もついていっていいんですか」
「えぇ、担任の先生も呼んだから、もう来ると思うけど、学校で救急車を呼んだから、先生方もビックリして対処に困ってるみたいよ。こういう時は警察も一緒に来る事になっているから」
千早を怪我させたのは、甲塚くんだろう
すれ違ってすぐ千早は倒れていたんだから
助けようと思っていたのに、千早を、僕の親友を傷つけるなんて


あんな奴、もうどうなっても………




ドン‼

その時、ものすごい音とバンと言う衝撃音が保健室に響き、窓を揺らす

なんだろうと窓の外を見ると、丁度向かいにある成冨陸奥護郎の銅像に何かが覆い被さっている
「あれ……」
保険の先生は書類を書いていて気にしていない
胸騒ぎ
悪い感覚
あれはあっていけない事なんじゃ

僕は保健室を飛び出す

あれはダメだ
他の人は見ちゃダメだ

あれは人だ
銅像に覆い被さっているのは人だ

他の人が見る前に、下ろさないと

すぐ向かいにあるのに、回り込まないと銅像に行けないなんて、他の人が見たら………あんな酷いもの、見せちゃだめだ
校舎の角を曲がると銅像が見える
その間に女生徒が立ち尽くしている
「花屋敷さん!!!!!」
「剣崎くん」
振り返って僕を見る花屋敷さん
「花屋敷さん、見ちゃダメだ!!」
「見ちゃダメって……陽介が……」
花屋敷さんは固まった表情はのまま涙を流している
「……陽介が……陽介が死んでるの……剣崎くん……」
意識を失ってしまう花屋敷さんを抱き止める

そう、陸奥護郎の銅像の上に覆い被さっているのは、さっきまで生きていた甲塚くん

いや正確にはわからないけど、この制服の着こなしは甲塚くんのはずだ
花屋敷さんもそう感じたから、甲塚くんと言ったんだと思う

なぜ正確に甲塚くんと言えないか
無いからだ
無いんだ

……………頭が

まるで斬首された前世と同じように、甲塚くんの首がなくなってしまった体は、銅像に突き刺さっている

僕はまた助ける事が出来なかったんだ

気を失った花屋敷さんを抱き締めながら、僕は泣いていた

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