アナタの羽ばたきが世界を救う。

怪力乱神 /対決

私とテンコは、そのまま教室には戻らずに、兜塚公園に向かった
「凄い妖気だ」
テンコが辺りを見回す
妖気は人間の私にだって感じ取れるものだった
「でも変だ」
「何が?」
「封印を明が破ろうとしてるなら、こんなもんじゃすまないよ」
「封印が弱まってるだけって事?」
「それは有り得ない、明を捕らえている封印は強固だから、明が破ろうとしない限り100年はもつはずだよ」
「でも九尾は50年に一度封印は弱まって解けてるんでしょ?」
「だから明が破ろうとするから…」
「だからなんで破ろうとするの?」
そうだ、九尾にだって理由があるはずだ
自分を縛っている封印を解きたいって気持ちはわかるけど、なんで50年に一度
「ん?尾崎じゃないか、学校はどうした」
不意に私を呼ぶ声
振り返るとそこには、日本史の小野沢先生が居た
「さっきの授業で気になった事があったんで」
適当な嘘をつく
「そうか?先生の授業で感化されたのは嬉しいが、早退してまでとはなぁ」
なんだろ、嫌な気配を感じる
「すいません、気になるとすぐ行動しちゃいたくなっちゃうんで」
そう言いながら、テンコを見る
すると、テンコは小野沢先生を睨み付け、今にも噛みつきそうな顔をしている
「葉子!!気をつけて、こいつ、僕が見えてる」
テンコが叫ぶと、小野沢先生は不敵な笑みを浮かべ
「やっぱり九尾を止めに来るのは、成冨陸奥護郎の子孫とキツネ一匹か」
先生は声をあげて笑い出す

テンコを認識する条件
私のように力を持っている人か
テンコと縁がある人
「100年ぶりだね。蘭」
先生はテンコを見ながら、「蘭」と言う
「あの時、君達に殺されて、生まれ変わるまで大変な苦労をしたよ」
先生は笑う
「そうか、わかったよ葉子 。あいつが首謀者だったんだ」
それを聞いて、先生はさらに笑う
「ははは、蘭。お前はやっと気づいたのか」
「どういう事よ」
「明は、神への信仰を得るために街に降りたんだ。最初は人間に化けて住人として少しづつ信仰を広めていってた……けど、ある人間に会い、妖力と恐怖で人々の支配を始めたんだ。それがあいつ、波政美(なみのまさよし)あいつが毎回明をそそのかし、封印を解いていたんだ」
「先生には、前世の記憶が!?」
先生は笑うのをやめて、私達を睨む
「元々あった訳じゃないさ、この兜塚公園に来る度に記憶を取り戻していった………お前たちに毎回毎回邪魔される嫌な記憶をな」
お前たち!?
私の前世も!?
「これは、運命かもな……変えられない、繰り返す運命さ」
小野沢先生から、妖気漏れ出す
「なら今回も僕の勝ちって事だよ、波」
「尾が4本になったお前に何が出来る、弓も持たない成冨陸奥護郎に何が出来る!!」
私が!?
成冨陸奥護郎!!!??
先生が大きく息吸い、一気に私達に吐きかけると、それがまるで台風並みの強風になり、私達は飛ばされるように公園の中にある建物の影に隠れる
「テンコ、私………成冨陸奥護郎の生まれ変わりなの!?」
「魂はそうだよ。でもね、葉子という人格は陸奥護郎じゃない。未来を変えるか、変えられないかは、君の意思にかかっているんだ」
運命とは……
「九尾のキツネの明が主犯じゃないなら、今日で因縁を終わらせる事が出来るんじゃない?」
運命とは……
「どういう意味?」
運命とは…
「小野沢先生を止める」
「先生を殺す!?葉子が殺人犯になっちゃうよ」
「そうじゃないよテンコ、先生はたぶん波政美じゃない」
「なんでそう言えるの」
「先生は、私を成冨陸奥護郎だと言ったわ。おかしいのよ」
「どこが!?」
「前世の記憶があるからって、生まれ変わりの相手までわかるはずない」
「!!?」
「千早達が言っていた。剣崎君は前世の記憶がある、きっと千早や緑山君は前世でも仲間だったんだって、きっとって言ってた」
「それは剛志がサトリだからだよ」
「先生は、公園に来る度に記憶を取り戻したって言ってた」
「まさか、先生もサトリ!?」
「と言うよりは、とり憑かれている。この兜塚公園の悪霊は、前の九尾を使った一揆の霊って言われてる」
「なるほど、ありえる話だ」
「だから弓さえあれば、先生にとり憑いてる霊を成仏出来る」
綾女さんが早く来てくれれば!!

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