アナタの羽ばたきが世界を救う。

怪力乱神 /運命とは…

「あっ、あのいったい何がどうなっているんですか」
綾女さんが、座ったまま訊ねる
「終わったよ、もう九尾の驚異は無くなったよ」
「良かった。これで世界は救われる」
「世界って大げさだなぁ」
「いいえ、大げさではないですよ。九尾の驚異がないという事は、彼が死ぬ未来もなくたったという事です」
「彼が死ぬ?」
「はい」
輪廻転生で、人は縁と運命を繰り返すという
私は波政美を倒し、明を浄化させた事で、その運命を変えた
綾女さんがいう彼は、どちらかに殺される運命を持っていたという事だろうか
「その彼は、九尾に?」
「はい、そのはずです。それ以外に考えたられません」
「そうなんだ、良かったね」
「はい、あっ今すぐにでも生死を確認しないと」
痛む体をゆっくりと立ち上がらせる綾女さん
「誰の事なの?」
「甲塚陽介です」
「えっ?」
なんだろう、凄く違和感を感じる
「綾女さん、甲塚君と仲良かったけ!?」
「あまり一緒には居ませんでしたし、仲が良いわけでもないんですけど」
「前世からの縁?」
「いえ、そういう縁はありません」
「じゃあ、なんで甲塚くんが死ぬ未来を知っているの」
「それは……はははは」
苦笑いをする綾女さん
「色々と試したんですけど、九尾の事を知って、もうこれしか考えられなくて」
「……綾女さんは、テンコの事も、九尾の事も………見えてないのね」
「はい」
「とても言いにくいんだけど、甲塚くんもテンコは見えてないの」
「それが??」
「テンコは、魂の縁がある人には………見えるんだよ」
「????」
「テンコが見えないって事は、九尾も………明も見えていないって事………」
「えっ!?」
「だから………甲塚くんが死ぬ事と、九尾の妖狐の事は………」
「そんな……そんな!!!」
「今すぐ確認しよう、甲塚くんは携帯とか持って無いの!?」
「無いです。でも死に場所はわかってます」
「なら、すぐにそこへ」
「はい」
私の体の痛み、走る事が出来ない
すると綾女さんが私に肩を貸してくれる
「私はいいから、行って」
「どのみち時間は過ぎます。もし……ダメでも葉子にそばにいて欲しい」
「……わかった」

学校の正門を入ると、綾女さんは屋上を目指す
二人とも体力に限界を感じる
今階段を登るのは正直つらい
「はぁはぁ……具体的に教えて、なんで甲塚くんは」
「理由はわかりません、最初は夏蓮です」
「最初は?」
「はい、夏蓮が突き落としました。それを止めても、また別の理由で屋上から落ちて死ぬんです」
「どういう意味!?」
「…そういう…運命なんです…」

階段を階段を上がると、屋上のドアは開いている
それを見て綾女さんは、グッと歯を食い縛る

屋上に出ると、そこには私達を見て警戒する女性がいる
花屋敷夏蓮さんだ
花屋敷さんは、何かに失望するように私達を見る
「夏蓮!陽介は!!?」
と綾女さんが叫ぶ
花屋敷さんが、甲塚くんを突き落としたと綾女さんは言っていた
本当に!?

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