龍のナミダ Ⅰ 【完】

交錯する思惑 /決意



紗羅はベットに入ると、帰りの車の中での出来事を思い出していた。




「紗羅…まだそのネックレスしてるのか?」



私の手に握られた男物のネックレス。



丸型のプレートに英字で刻印がされているが、中心部分が打ち抜かれていてリング状になっている。



一緒についているクロスのペンダントトップとプレートがぶつかり、カチャリと音をたてた。




奏があの日、身に付けていたものだ。



今まで奏は何もアクセサリーはつけていなかったのに、何故かあの日に限ってつけていた。


彼の首にキラリと光っていたそれは、どうやら新しく買った物らしかった。



当時、真新しかったネックレスは私の物となり今では鈍い輝きを放っている。







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