龍のナミダ Ⅰ 【完】

prologue /キョウダイ

※※ 綺羅Side ※※


「ねぇ~、キラくぅーん 今日は泊まりに来てくれるんでしょ~?」



身支度を整え、バイクのキー片手に部屋を出て行こうとした俺に、完璧計算の上目遣い&猫なで声で話しかけてくる女。



いつも俺の為に一生懸命で可愛かったけど…

もう用済みだ。



『んー。今日はってゆうかー、もう来ない。つか、もう会わない。』



「はぁっ!?何ソレ!! もう次の女がいるの!!??他の女になんて、絶っ対渡さないから!!」



怪訝そうな表情を浮かべている俺に構わず、裸のまま凄い形相で詰め寄ってくる女。




はぁぁ~… ウゼェ。


体だけの関係だと合意の上だった筈なのに、何回か寝ただけでコレだよ。

まるで自分の所有物のような主張。


ウンザリする。





——— 俺は誰のモノにもならない。




否、俺はあいつだけの物だ。









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