龍のナミダ Ⅰ 【完】

新しい生活 /はじめまして

※※ 隼人Side ※※


綺羅に連れられて“thirDRAGON”の倉庫へとやってきた紗羅。


倉庫の中には数十人程のメンバー達が溜まっていた。



俺達に気付き、挨拶をしてくる。



「ちわっっ…えぇ!?女!?」


「幹部全員が揃って…?
何者なんだ、あの美人……」



俺達が女を連れてきたことに相当驚いてるようだ。



そりゃそうだ。



ここに女が出入りするのは、先代のあの女以来だからな。



後ろを歩く紗羅をチラリと見るも、自分の事だと気付いていないのか涼しい顔をしている。


それどころか、しっかりと前を見据えて堂々としている。この女…纏っている空気が普通じゃない。


1匹で狩りをし、生き抜いていく、豹の様なオーラ。


じっとしているように見えて、いつでも動き出す準備は出来ている。 



そんなピリッとしたオーラが彼女から放たれている気がする。




「隼人、どうした?」



倉庫のど真ん中でいきなり立ち止まった俺に、綺羅が不思議そうに尋ねてきた。



綺羅は紗羅の様子など気にする素振りもない。



「…別に。」



俺の気にし過ぎかと気を取り直し、奥に設置されている2階へと続く階段を上る。



“ギィーーッ” 



嫌な音をたてて鉄の扉が開かれた。



「大丈夫だよ。ほら…入って」


綺羅に促され、紗羅もそろそろと中へ入ってくる。




部屋の中央には、コの字型にセットされた皮張りの黒いソファー。



真ん中のソファーに俺が座り、両側には綺羅と紗羅、亮介と俊哉が座る。



飛鳥は俺の左手側に設置されているデスクに座ってPCを操作し始めた。




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