龍のナミダ Ⅲ 【完】

新たな始まり /SOS

※※ 爽 Side **


おかしいと思ったんだ。

ポケットの中で鳴る着信音。


…こんな時間に?


もうとっくに家に帰った筈だ。


ディスプレイを見なくても分かる。

この携帯は彼女からの着信以外でメロディーを奏でる事など無い。


いつもはノロノロと電話に出る俺が

慌てて電話を取り出す様を見て、

部屋の隅に控えていた補佐の椎名が目を見張ったのを

視界に捉えるが、構っている余裕は無い。



『迅?どうしまし…』


「お願い!助けて!助けて……爽」


携帯に出た瞬間聞こえたのは、切羽詰まった迅の声。







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