龍のナミダ Ⅲ 【完】

新たな始まり /表の顔

** 補佐・椎名 Side **


漸く地獄のドライブは、薄暗い小さな公園に着いた事で終わりを告げた。



イライラした様子で絶え間無く煙草を吸い続け、

数秒毎に後ろから蹴りつけられ、

生きた心地がしなかった。



爽真さんは、まだ完全に車も止まってないのに

「迅っ!!」と叫びながら飛び出して行った。



あんなに慌てる爽真さんなんて初めて見る。

これは只事では無いと悟り、俺達も後に続いた。



公園の隅に置かれた自動販売機の側に

しゃがみ込む颯真さんを見つけ

駆け寄ろうとしたが


「来んじゃねぇ!!」


とすぐに制止の声が掛かり

足を止めざるを得なくなった。



そして振り向く事もせず手だけで戻れ、

と合図をする。



何故だろうと疑問に思うも、

大人しく指示に従い、引き返すしかなかった。









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