龍のナミダ Ⅲ 【完】

新たな始まり /秘めた想い

** 爽 Side **



『…喋り過ぎたな。』


車に乗り込み、紫煙と共に吐き出した台詞に思わず苦笑する。



“好きなら”に反論出来なかった自分。


──否、俺の方が北見よりも、ずっとずっと好きだと
知って欲しいという気持ちの方が勝ったんだ。



誰にも言うつもりは無かった。

けど、誰にも知られずに消えれば

この気持ちすら無かった事になってしまいそうで。


『…未練有りまくりじゃねぇかよ。』


これで良いんだと納得していた筈なのに

この数日間あった温もりが消えた事で

どうしようもない寂しさに襲われる。




本当の俺を知っても、変わらずに


真っ直ぐに見つめてくれる


あの翡翠色の瞳に──


俺はあの日から


目が離せなくなったんだ。








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