近未来のその日。もう届かない恋心を胸に抱いて僕はヒトリ、ナイタ。

「私はね、窓から月の見えるお家に住みたいの」




そう言って、白いシーツの上、君は波打つ髪も気にせず僕に手を伸ばした。




密かに寄せた眉でさえ君はお見通しで、細い人差し指で僕の眉間を抑えてふふっと笑ったりした。




そうやって、君はどうでも良いような顔して全てを受け流すフリをしていたけれど、そんなものは長く続くはずがなくて。




どうして気付けなかったのだろう。




そう思っては、君のいた時間を思い出し




君の煌めく瞳を思い出して




ヒトリ、ナイタ。