Rhapsody in Love ~幸せの在処~

第2章 幸せの在処 /3 遊園地 Ⅱ

 昼食は、ちゃんとしたレストランもあったのだが、遊園地内を随分移動しなければならなかったので、手近にあったバーガーショップで済ませることにした。

 昼食くらいは奢ってあげようと、みのりがバッグから財布を取り出そうとすると、遼太郎がそれを制する。

「今日は、俺に出させて下さい。」
「え…。でも…。」

 アルバイトさえしていない高校生の遼太郎に、自由になるお金なんてたかが知れている。みのりは、そんな遼太郎に奢ってもらうことに、気が引けた。

「大丈夫です。俺、普段小遣いを使うことないから、随分貯まってるんです。先生が食べる分くらい…。」

 遼太郎はみのりに気を遣わせないように、にっこりと笑う。
 心の中では、いつもみのりに出してもらうなんて、ヒモみたいでカッコ悪いと、遼太郎は思っていた。
 その意図を汲んでくれたのか、みのりは、

「まあ…、ラガーマンみたいには食べないから、安心して。」

と、遼太郎の好意を素直に受け入れた。

 みのりは先に注文した後、トイレに行き用を済ませて、遼太郎の姿を探した。遼太郎がカウンターとテーブルを行き来している場所に歩み寄り、そのテーブルに置かれた食べ物の量に唖然とした。

「…え!?これ!間違えて注文しちゃったの?!」

もう一つトレーを持って来ている遼太郎に、声をかける。
 テーブルの上には、ハンバーガーが4つにポテトも4つ、その他諸々のメニューの品々がある。

「まさか、俺が食べるんです。…先生のは…。」

と言いながら、遼太郎は山と積まれた食べ物の中から、みのりの注文したバーガーを取り出した。それを受け取りながら、みのりは開いた口がふさがらない。

「これ全部、本当に食べられるの?!」
「もちろん、普段はもっと食べますよ。」
「ウソ…!」

 油っこいバーガーを一つ食べただけでお腹いっぱいになってしまうみのりは、その状況を想像しただけで胸が悪くなりそうになった。
 けれども、以前一緒に焼肉を食べに行った時の遼太郎の食べっぷりを思い出して、合点をいかせた。




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