Rhapsody in Love ~幸せの在処~

第2章 幸せの在処 /28 宿題の代償 Ⅱ




 遼太郎は、頭から勢いよくシャワーのお湯をかぶって、ハーッと息を抜いた。思いもよらずみのりが来てくれたことに、まだ気持ちが動転していた。

 みのりに会った瞬間から、抱きしめたいという衝動しかなかった。抱きしめてキスをして、それからもっと……。

 だけど、自分はバイト帰りで汚れていて、とても抱きしめられる状態ではなかった。みのりも、抱きしめられることよりも、陽菜のことばかり気にしていた。

 陽菜のことをきちんとみのりに説明して、安心させてあげたいとは思う。けれども、遼太郎は結局陽菜と話すことを放棄していて、みのりを安心させる材料を持ち合わせていない。

 それに、今はそんな陽菜のことよりも、目の前にいる生身のみのりのことしか考えられなかった。タオルで体を拭いて下着を身に着けたときに、もう遼太郎は衝動を抑えられなくなった。


 遼太郎が浴室から出てくる気配を察して、窓辺でその様子を窺っていたみのりは、半裸の状態で姿を現した遼太郎に、息を呑んで固まってしまう。遼太郎の美しいと形容するにふさわしい体を見て、鳥肌が立った。

 しかし、みのりはぎこちなく視線を逸らして、再び窓の外へと目を遣った。あの胸に腕に抱きしめられたいと願ってやまなかったが、遼太郎は今帰って来たばかりで疲れている。


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