君の為にできること【完】

第ハ章








「あの!すみません!」









鳴沢部長との約束を明日に控えた今日。


一人ランチを済ませて会社へ戻ると、エントランスで背後から声を掛けられた。

振り返ると、そこに立っていたのは見知らぬ女性。



「はい?」



ーーー誰?


肩下で揃えられた黒髪。服装は淡いピンクのアンサンブルに、グレーの膝丈のスカート。年齢は20代前半だろうけど、10代に見えなくもない。



「あのっ・・・鳴沢をご存知でしょうか?」




ーーーーえ・・・




ドクンと心臓が大きく跳ねた。



「営業部の鳴沢です。ご存知ありませんか?」


水玉柄の布地バッグをしっかりと胸に抱え、なぜか泣きそうなくらいに必死な彼女。



「失礼ですけど、あなたは?」



この人、もしかして・・・ーーー

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