鈍色の空【完】

第5章





初めて出逢ったあの文化祭で、




「着いておいで」




そう言って一緒に逸れた友達を探してくれようとした希和。


けれど激しい人混みの中、今度は一歩先を歩いていた希和とも逸れそうになった。







それに気づいて見兼ねた希和が、





「ねえ、ここ掴んで」



「え・・・?」





そう言って指差したのは、希和の制服のジャケットの裾だった。





「ここ、ですか?」



「うん。君と俺が逸れたら意味ないから」






それはわかるんだけど、こんなところを掴んでいいの?


そう思いながらも、言われた通りに裾の端のほうをぎゅっと掴んだ。




確かにこれならこの人混みの中でも逸れないだろう。



だけど客観的に見たらすごく可笑しな構図だと思う。







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