Honey, so sweet!!①【完結】

2016年、秋。過去番外編、追加始めました。 /★Love so sweet!!番外編「うつりゆく季節に、君と」


パラパラと弾む太鼓と、細く響く笛の音色……

胸を踊らせるそのメロディーに、私は思わず、足を止める。



「まほ」


名前を呼ばれて振り向くとそこには…


「秋祭りか…懐かしいね」

「寺田さん!!」


薄暗い夕闇の中、オレンジの光を放つ神社の境内を、遠巻きに眺めていた私の真後ろに、いつの間にかそっとたたずんでいたスーツ姿の、彼。


「お祭り、寄ってく?」


にっこりと微笑む彼に、私は頬を紅潮させ、何度も頷く。


「お祭りと言えば、りんごあめですよね!!」


「お祭りと言えば…浴衣でしょう」


「…浴衣かぁ。いいですね~。
浴衣着てお祭り、行きたかったなあ」



こんな日に限って彼も私も土曜出勤とはついてない。



「明日着れば、浴衣?」


「あ、そっか。明日もお祭りやってるんだ!よかった…」


「着付けの手伝いはできないけど、脱がすお手伝いなら、僕できるから…」


「結構です!」



むう〜っと唸り、口を尖らす私。
そんな私に優しく微笑みながら、彼が私の右手を、すっと握りしめる。

0
  • しおりをはさむ
  • 785
  • 541
/ 302ページ
このページを編集する