仮面姫 Ⅲ

来栖芹
恋愛 1ページ(連載中) 253字 更新日 2018/08/24 読者 1055人 公開 0 0








「幸せになれ」



そう言ってある少年は闇の塔に

幽閉されていた少女を

外の世界へと連れ出しました。




走る足は冷たく地面を蹴り上げて、

吐き出す息は喉を熱し、


それでも繋がれたら手は暖かい。




彼女の視界に映ったのは、

キラキラと光り輝く未来への扉。



扉からは一筋の光が中から漏れ出ていました。




少年は立ち止まり、少女の背中を強く押します。



彼女は必死に足掻き、その扉のノブを掴みました。




そして少女は振り返り、


「ありがとう、私は幸せだ」


本当の顔で涙を流し、彼に微笑みました。





「ーーえ、なん、で…?」



だけど、そこに少年はいませんでした。


少女の後ろには闇が広がるばかり。



もう、光も声も届きません。


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