シンデレラ・スキャンダル 【完】

シンデレラを守るのは





「一人でも大丈夫だったのに」


「送るって言ったでしょ。俺は男で綾乃ちゃんは女性なんだから、ちゃんと送らないと」


「そういうものですか」


「男は女性を守るものだよ」


「……龍介さんって割と古風ですね」


「割とっていうか、結構古風だと思うよ。それは自覚ある」



そう言って彼は何度か首を小さく上下させる。


食事会が終わり、一人で帰ろうとしていた私を捕まえると、彼は絶対に送ると言って譲らなかった。


金髪にタトゥーのその人は、どうやら外見と中身がとことん違うらしい。


龍介さんが呼んでくれたタクシーに乗りこむ。


薄暗い後部座席には、同じベースボールキャップを被った男女が、近いとも遠いとも言い難い距離を保って座っている。

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