シンデレラ・スキャンダル 【完】

恋歌



久しぶりに来ると、人の多さに圧倒されてしまう。


イルミネーションに彩られた街並み。


楽しげに歩く人の波。


当日を迎え、東京はクリスマスムード一色だった。


多くの人が行きかう先に見つけた、懐かしささえ感じるその姿。


喉の奥から込みあがってくるそれをなんとか底の方にしまい込むように、喉を鳴らす。



「栞ちゃん」



会社に電話をして、ようやく彼女と連絡をとることができた。


たった数週間会わずにいただけなのに、叫びたくなるほどに懐かしくて、思わず彼女に縋りつくようにして抱き締めた。


小さい肩が腕の中で震えている。



「綾乃さん……心配したんですよ?」


「うん。ごめんね」

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