シンデレラ・スキャンダル 【完】

魔法の黒帽子



食事を終えてしばらくすると、飛行機が着陸態勢に入った。


さっきまでは初めての国際線のビジネスクラス食を楽しんでいたというのに。


思わず「美味しい」と零れてしまう程だったのに。


まさに天国から地獄。


恐怖の感覚に備えて目を閉じてシートを握りしめたとき、


「大丈夫?」


そう問いかける声が聞こえた。


そちらを見れば、その瞳を柔らかく細めてこちらを窺うように見ている彼がいた。



「涙目」


「だって……」


「俺は高所恐怖症だから、なんかわかるけど。それにしても必死だから。飯の時とは大違い」



悪戯っぽい笑顔が目の前で弾ける。

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