シークレット ブレス 【完】

第4幕 /また、同じ


学校を出て、私たちは駅まで歩き始めた。


いつもはくだらない話で盛り上がる帰り道も、今日は葬式のようだ。


さっこと加代ちゃんは、なにも喋らずうつむいて歩いている。


「ちょっとー。二人とも、暗いよ~! 」


明るく言ってみたけれど、逆に痛々しい。


「私もぶんも頑張ってよ! 辞めるなんていわないでさ~」


「うん」

「うん」


さっこと加代ちゃんは、やっと顔を上げた。


「トランペットもパーカッションも、全員選抜入りってすごいじゃん! 帰る前、トランペットパートで集まってなんか盛り上がってたけど、もしかして伊吹先輩からお褒めの言葉とかあった?」



さざ波だった心が、ひりひりと痛む。


それを必死に隠して顔を覗き込むと、さっこは控えめながらも顔を輝かせた。


「……うん。実はね、伊吹先輩が初めて1年生を褒めてくれたの」


「うそっ!? なんて!?」


食いついてきた加代ちゃんに、さっこはニヤリと笑って両手をポケットに突っ込んだ。


「……よくやったな。って!」

「ぎゃーー! かっこいい!!!! 羨ましすぎる!!!!」


0
  • しおりをはさむ
  • 93
  • 1267
/ 253ページ
このページを編集する