シークレット ブレス 【完】

第4幕 /貴方にわかるはずがない



選抜メンバー発表から2週間が過ぎ、選抜に入れなかったフルートの子は、3日に1度くらいしか部活に来なくなった。



その気持ちはよくわかる。


私も、教室で一人ぼっちの練習なんかしたくない。


惨めで、恥ずかしくて……。



それに、披露することもないのにコンクール曲を練習したって……。


そう思うと集中もできないし、モチベーションも上がらない。




コンクールまで2ヶ月を切り、セクション練習や合奏が増えた。


パート練習が少なくなり、おのずと一人で練習する日が続く。



がらんとした教室に一人でいると、時間を持て余す。


自分を奮い立たせて楽器を構えたって、音楽室から聞こえてくるコンクール曲の合奏が、私のフルートの音なんて簡単にかき消してしまう。


だから、フルートを机の上に放置して、窓から空を眺めたり、スマホをいじったて時間を潰していた。


でもやっぱり楽器がかわいそうになって、たまに適当に吹いてみたり……



そんな毎日を過ごしていた、ある日のことだった。


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