シークレット ブレス 【完】

第4幕 /先輩の過去



私はあてもなく学校内をうろついた。


勢いで教室を飛び出したものの、音楽室があるここ2階一帯は、3年生の教室だ。


生徒はもういないものの、あまりうろつくのも気が咎め、トイレに身を潜める。



伊吹先輩はこの階で、どんな学校生活を送っているんだろう。


どんな風に教室で過ごしているんだろう。



きっと部活の時と同じで、学年でも人気なんだろうな。


いつも周りから憧れや羨望の眼差しで見られて、それを裏切らないスキルも持っていて。


ルックスも頭も良くて。


挫折なんて、味わったことなんてないだろうな。



そんな伊吹先輩に恋をしてしまった自分に呆れる。



プライドが高くて、めんどくさい負け犬の私が、密かに先輩に恋してるなんて、とんだ身の程知らずだ。

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