シークレット ブレス 【完】

第4幕 /すべては通過点



あれから1ヶ月、私はひたすら練習した。



夏休みに入り、選抜漏れしたもうひとりのフルートの子は来なくなってしまったけれど、一人教室で吹き続けた。



この海の男達の歌を、コンクールの舞台で吹くことはできなくても、ほかに吹ける機会はあると思う。


伊吹先輩と同じコンクールの舞台に立つことは不可能だけど、もうそれは仕方がない。


コンクールじゃなくても、一緒にこの曲を吹くことができればそれでいい。


もしかしたら、冬に行う定期演奏会で叶うかもしれない。


もうこの曲を吹くことができなくても、この努力は今後、実となって役に立つ。


無駄なことはなにもない。


孤独に負けそうな時は、先輩の言葉を思い出した。




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