シークレット ブレス 【完】

第5幕 /ひとりじゃない

体中にみなぎるやる気とこみ上げてくる気持ちと。


伊吹先輩の優しさに、一人で感動して若干泣きそうになっていた私は。


音楽室に入った瞬間、多数の哀れみの瞳に迎えられた。


あー……やっぱり。


伊吹先輩は、何事もなかったかのように、いつもの無愛想な顔で自分の椅子に座ってトランペットをいじってる。


そのギャップに、またしてもキュンと胸が疼く。


先輩との秘密がどんどん増えていくのがたまらない。


緩みそうになる顔を引き締めて、自分の椅子についた。


心配そうな顔をしたフルートの先輩たちが口を開こうとした時、先生が戻ってきて、すぐに合奏が再開された。

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