シークレット ブレス 【完】

第5幕 /心をひとつに




舞台は眩い光に照らされていた。


舞台袖とは、温度も違う。


伝言通り、ピッチが高めにならないように気をつけなくちゃ。



自分の椅子に座り、譜面紙を譜面台に乗せ、楽譜を置く。


深呼吸して全員が入場するのを待った。


客席には、副顧問の関先生が、真っ黒に日焼けした顔に真っ白い歯を光らせて舞台を見つめている。


運動系の顧問にしか見えない暑苦しい関先生の横で、選抜メンバーには選ばれなかった3人の部員が、じっと固唾を呑んで見守ってくれている。


みんなの分も頑張るよ。


一人一人の顔を見つめて、そう誓った。



そして……。

いよいよ本番だよ。

よろしく、頑張ろう。



大切な私のフルートに、心の中で声をかける。


大丈夫、大丈夫。


今までの練習の成果をだそう。


小さく息を吐いて、指揮台に立った北田先生をじっと見つめた。



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