シークレット ブレス 【完】

第2幕 /いじめ


「ね~、昨日トランペットパートでなにしたの? 伊吹先輩どうだった~?」


翌朝、駅で会うなり加代ちゃんはさっこに詰め寄っていた。


それ、昨日の帰りも聞いてなかったっけ?


あ、そうか。

楽器が決まって興奮していたせいもあって、どんどん話題が変わったせいで、結局のその話は流れちゃったんだった。



「ん~。昨日はパート内で自己紹介と、楽器の扱い方を教えてもらったくらいかな~」


「自己紹介!!!! 伊吹先輩の自己紹介聞きたかった~~~!」


「伊吹です。で終了だったよ。でもかっこよかった!」


「え~~!? どんな感じで言ってたの!?」


「ん~と。めんどくさそうに、目も合わせず、笑顔もなく。伊吹です。って」


「ぎゃー! かっこいい!」


かっこいいのか!?


ものすごく感じ悪いじゃん!



そのあとも、さっこは10回以上「伊吹です」をやらされていた。


苦笑しつつ、でも加代ちゃんが元気なことに安堵した。


内藤さんも、落ち込んでいなければいいな。



そう思いながら、電車を降り、いつも通り学校まで3人で並んでぐだぐだと歩いた。


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