一人静【完】

すれ違い





「よし、おーわり!」


「きゃー!可愛い!」


「すっごい似合うっ!」


「すっげえ〜」



パシャリ

パシャリ



シャッター音が大量に聞こえる



宮田さんが作り上げた白雪姫の衣装に着替え、一時間後
やっと準備が終わった。


衣装はぴったり。


黒い短い髪の毛は内巻きにされて赤いカチューシャがつけられていて
顔には色々塗られ、まつ毛を引っ張られ、口にも何か塗られて、色々といじくりまわされ正直始まる前からクタクタ



「さ、見てみて〜」



私に化粧してくれた女の子が鏡を私に向ける



「っ、すごい…」



鏡に映る人は
普段の私とは全く違い、知らない人みたいだ


化粧って、すごい…


まつ毛はクルンと上がっていて、頬はピンクで唇は赤くなっている。



「すっげー!俺惚れそうー!」


「一緒に写真撮ってくれ!」


「可愛いー!」



クラスの人に囲まれ、色々な声が飛んでくる


普段の八木くんの隣にいて浴びる声とは全く違くて、恥ずかしい。


たくさんの慣れない視線からどこに隠れようか、キョロキョロしていると



「きゃぁぁぁ!!!」


「かっこいいー!」



教室の外から聞こえた大きな叫び声



「あ、杉崎くん着替え終わったのかな」



うちのクラスの女の子がそう言うと、
ガラガラとドアが開く音がして
みんなの視線がそこへと集まって空間が静まり返る。





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