一人静【完】

おまけのおまけ /八木湊vsいじめっ子












ここは、人通りの少ない校舎の端の廊下



「何々〜湊くんが用だなんてぇ」


「きゃー、もしかして告白とかあ?」


「えー、でも今まで話した事ないよねぇ?」



なんて、語尾を伸ばしていかにも嬉しそうな声色がそこに響く



彼女達は気づいていない




目の前に立つ、男の瞳の色に。



まあ、気づいていないのも無理はない。



「八木くんってやっぱかっこいいよねぇ」


「うん、ほんとイケメン〜」


「彼女になれたりしたら幸せなんだろうね〜」


「……」





…だって彼は"笑顔"なのだから


目尻をくしゃりとさせてえくぼを見せて綺麗に笑っている彼は彼女達の会話を聞くとゆっくりと口を開く






「…………告白とか、」


「……?」


「……ありえねーだろ」



その声は決して大きいわけではないのに、この場に低く響き渡るような怒りのこもった声



「…へ?」


「湊くん?」


「何で怒って…」


「…何で怒ってるかって?その少ない脳みそ使って自分らで考えてみなよ」


「きゅ、急にどうしたの?」


「……急にどうした?何言ってんの?」



笑顔だが内心怒りに燃える、その男はソレを抑えるのに必死だ。



「………あのさぁ、」


「…?」












「今度ひなたちゃんに少しでも手出したらみなよ?」








彼女達からは言葉は出ず目の前に立つ、

獣のようにギラギラした目

眉の辺りに這う怒り


怒気を帯びた口調の男に恐怖を感じ何も言えずただ黙って口をパクパクとさせるだけ。





八木湊


どうして彼がこんなにも怒っているかって?



それは、






「……言っとくけど俺、」


「……?」


「これ以上ひなたちゃんに何かしたら、君たちに何するか分かんないよ?」


「…ーっ、」


「…ん?分かった?」







どうしようもないくらい大切な彼女を傷つけられたから








fin

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